2015年10月8日木曜日

FBの難民中傷イラストが削除された経緯に対する所見

■難民中傷:日本人漫画家に批判集中 FBにイラスト投稿
http://mainichi.jp/select/news/20151008k0000m040053000c.html

 この問題をレイシズム的な問題として捉えるのではなく、被害者(この場合はイラストのトレス元の少女)のいる名誉毀損であると捉えたことが今回の削除に繋がったようです。

日本の法というものは、例え違反したとしても、被害者がいない、もしくは、被害者が誰なのか、被害者が不利益を被ったのか、を明確できない場合は不法行為責任を追求できないので違反したことを「スルー」されることがあります(経験談)。

今回のようなレイシズムととられかねないイラストの拡散に対し、このイラストをレイシズムと捉えた一定層の人間が、『これってダメじゃね?』『不 愉快…』と感じるのだから、削除しろ、と主張したとしても、その論理展開だと、明確な被害者がいないので不法行為責任を追求できないようです。

日本の秩序を守る法の延長上に、Facebookの秩序を守る規約があると考えられます。ですのでFacebookは、「今回の問題をレイシズム的な問題と捉えるならば当該画像を削除しなくてもいい」と判断した、と想像できます。

最終的にこの画像が削除されたわけですが、決してFacebookの判断がブレたわけではなく、被害者のいる名誉毀損である、と説得の仕方を変えたのが大きそうですね。

今回のような問題は「当該行為は私が、皆が、不愉快だからレイシズムである」と思考停止するのでなく、「当該行為によって、誰が、どのような不利益を被っているのか」を明確にして、ひとつひとつ対処していくしかないのかなと思いました。

表現の自由との兼ね合いもあるしね。難しいね。